副所長の公認心理師・臨床心理士としての歩み① 発達相談員時代


こんにちは
高橋芙美です。

今回は、私自身のカウンセラーの歩みについて少し振り返ってみようと思います。

私が最初に入職したのは、乳幼児健診の発達相談員でした。
カウンセリングではなく発達相談ですか??と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

私が乳幼児健診で発達相談員をさせていただきたいと思ったのは、
まずは人がどのように成長していくのか、そのプロセスをしっかり学びたいと思ったからです。

なぜなら、相談に来られた方が、どのようなプロセスを経て今の状況に至ったのかを知り、今必要な支援を考える上で、人の成長や発達プロセスを学んでおくことはとてはとても重要だと考えたからです。

そういう意味で、乳幼児健診の場は、同じ月齢のお子さんやその親御さんと、一度にたくさんお会いできる場であるため、人の発達を段階を追って学ばせて頂くにはもってこいの環境でした。

実際に乳幼児健診では生後10か月~3歳半までのお子さんの発達を見せて頂きましたが、“いないいないばあ”という遊びが脳の発達やコミュニケーション力においてこんなに大事なものだったのか…。積み木遊びにも、色々な発達段階があるのか…。さらに、月齢ごとの子どもさんの発達の変化や、お子さんの成長と共に移り変わる親御さんの悩み。積み残している発達課題がどこにあるか。今、そのお子さんにとってどんな力を育むことが大事な時期なのか。その力を育むために今どんなかかわりが必要なのか。ベテランの発達相談員の先生方にアドバイスを頂きながら、実践で感覚を磨いていきました。

当時私は独身で、周りの友達もまだ子育てをしている人はほとんどいませんでした。それだけに、お子さんと遊びを通して発達を見せて頂くのは発見の連続で楽しくもありましたが、その結果を親御さんにお伝えするというプロセスは、本当に重荷であったことを覚えています。というのも、乳幼児健診の場は、お子さんの発達の課題を早期発見して、早期に支援していけるようにと皆さんに開かれた場所です。その月齢になれば義務のような形で皆さん健診を受けることになります。それゆえ、健診でどのようなことをするのかあまり明確にイメージ出来ていない方も多い訳です。そんな状況で、突然子どもの発達について指摘を受け、発達相談員に見てもらってくださいと言われ、困惑したままお越しになる方も多くいらっしゃいました。親御さんにとってははじめて発達の指摘を受けて「自分の子育てを否定された」と強く落ち込まれたり、怒りを持たれたりする方もいます。

ベテランの発達相談員の先生方は、親御さんの不安もしっかり受け止めながらも、今のお子さんの様子を伝え、一緒に見守って行きましょうと、優しくも力強くサポートをされていました。しかし当時の私は、そういった感情を想像することはできますが、どう抱え、どのように寄り添っていけば良いのか、正直分からず、苦心したのを覚えています。

その後私自身も結婚し、出産、育児をする中で、子どもの言葉の発達が遅れていることに気が付きました。専門家としての知識や経験があっても、こんなに不安や焦りを感じるものなのだと改めて驚きました。でも同時に、世の中の親御さんたちは、皆さん多かれ少なかれ、不安や焦りを感じながらも子育てを頑張っておられる。相談業務をする中で、肌でそれを感じていた私にとって、それは大きな支えにもなりました。そして、専門家といえども、母親としてわが子を育てるのははじめての経験。不安や焦りがあって当然。逆に不安や焦りのない子育てなんてないんだと、胸を張って言える自分がいました。

当時私の中で、子どもの成長の見通しはある程度立てることができましたが、それでもわが子を客観的にとらえることは至難の業。だからこそ、一人で抱えず、他の方の意見や見方をお聞きしたいと、早めに発達相談に行かせて頂きました。

相談では、子育てをねぎらい、しっかりと私自身のやってきたことを受け止めてもらえたこと。さらに、今の子どもの様子を理解したうえで、今後の見通しについてイメージを相談員の方と共有できたことが、安堵感につながったと感じました。

私は支援者と相談者、双方の立場を経験しながら、親として、人として、専門家として成長させて頂いている。それは私の強みにもなっているのだなと最近感じます。

次回は、子育てをしながら務めていた、小学校のスクールカウンセラー時代について書かせていただこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。