副所長の公認心理師・臨床心理士としての歩み② スクールカウンセラー時代

こんにちは 
高橋芙美です。

今回は、私自身のカウンセラーの歩みについて少し振り返ってみようと思います。

私が最初に入職したのは、乳幼児健診の発達相談員でした。
これについては、こちらのブログをご覧ください。

発達相談員時代に乳幼児期の人の発達や成長について多くのことを学ばせて頂きました。
その経験を生かして、自己紹介でも書かせて頂きましたが、
以前からやりたかったスクールカウンセラーという仕事に就く機会を頂きました。

私は公立小学校のスクールカウンセラーを10年間務めさせて頂きました。
主な仕事としては、
学校の先生や、保護者の方々からの相談。
相談を受けて、教室でのお子さんのご様子を見せて頂き、
先生や保護者の方々と、今必要な支援を考えていく。
校内でのケース会議や、保護者や先生への研修。
お子さんのカウンセリングやプレイセラピー(※1)など。

赴任してすぐは相談数も少ないので、各教室に見学に行かせて頂き
学校の雰囲気や、お子さんたちの様子、
また先生方にスクールカウンセラーがどんな人間かをしって頂く意味でも、
校内を歩き回り、子ども達と一緒に遊んだり、
立ち話でも先生方とお話をしたりという時間を持つようにしていました。

少しずつ新規の相談が入ってきた時に皆さん一様に言われるのが、
「相談に行こうかどうしようか、だいぶ悩んだんですけど・・・」
というメッセージです。

スクールカウンセラーはお子さんの通う学校に居るため、お子さんや、そのご家族にとっては、一番相談場所として身近な所です。

しかし、そんな場所でさえも、はじめての相談者さんにとっては敷居が高い。

その事実を知ってから、
スクールカウンセラー便りを書くようになりました。
その結果どうなっていったかは、こちらの自己紹介のブログをご覧ください。

10年間勤務させて頂きましたので、本当に様々なご相談に乗ってまいりました。

不登校 発達の課題についての相談 子育て相談などがメインではありますが、
その相談から派生して、他のご兄弟さんの相談や、夫婦関係についての悩み、
ご自身の悩みなど、これまで相談できずに抱えてこられた事柄が次々と出て来るということも珍しくありませんでした。

そのような時には、ご相談に乗るだけでなく、その方に必要な相談機関をご紹介したり、
相談者の周りにすでにあるサポート資源(家族や友人、学校など)を共に探し、サポートしてもらうために、どのように(家族や友人、学校などに)伝えたらよいかなどを一緒に考えていくなど、その方の状況に合わせて、ご相談に乗らせて頂いておりました。

ただ、ご相談に乗れるのは、お子さんが小学校に在籍されている間に限られます。
進学することは喜ばしいことではありますが、同時に新しい環境への不安もあります。
もちろん、必要な方については次の相談先への引継ぎなどもさせては頂いていましたが、
そのような変化の時にこそ、信頼関係のある相談者から、必要な時にサポートを得られる環境を残すことができればいいのに。相談者がそれを選べる環境があればいいのに…

そのような経験を繰り返す中で、
必要な時に安心して相談に行ける場所がある。
そんな身近で安心できる場を創っていけたら…という想いが芽生えてきました。

※1 プレイセラピーとは:
お子さんを対象とした心理療法です。子どもとセラピスト(治療者)の関係性の中で、安全な環境と遊び道具を使って、お子さんが自分の気持ちや考え、行動を表現したり探索したりするのを、セラピストが促進し手伝うものです。

ここまでお読み頂きありがとうございました。

2023年1月7日